散歩中に季節の気配を感じることってありませんか?
私の住むイタリア・ペルージャでは、毎年秋になると街全体がカカオの甘い香りに包まれる時期があります。
その正体こそ、街の風物詩「チョコレート祭り(Eurochocolate 2025)」。
風に乗ってふわっと甘い香りが流れてくると、「ああ、今年もこの季節が来たんだな」と胸の奥がほころんでいくような感覚になります。
今回は、散歩がてらふらっと立ち寄ったユーロチョコレートの賑わいと、この街のハートとも言える「Baci(バッチ)チョコレート」の種類まで、まるごとレポートでお届けしますね。
街全体がチョコレートに包まれる午後

ペルージャのメイン通りに出た途端、いつもの街が “チョコレートの都” に変わっていました。
テントが石畳の上にずらりと続き、ショーケースにはボンボン、板チョコ、クリームスプレッドがぎっしり。カカオがはじけるような甘い香りに包まれながら、ゆっくり歩くだけで気持ちがほどけていきます。
広場ではデモンストレーションが行われ、子どもたちの笑い声が響き、大人たちは試食を片手に友達や家族との話に夢中。
歩いているだけで、この街がどれだけチョコレートを愛し、この祭りを楽しみにしているかが伝わってきます。


Eurochocolate 2025 開催のメモ

まず、今年のユーロチョコレート(Eurochocolate)の基本情報をまとめておきます。
開催期間:
2025年11月14日(金)〜23日(日)の10日間
開催場所:
ペルージャ旧市街全域
出店ブース:
およそ130ブース
出品数:
6,000種類以上のチョコレートが集結
来場規模:
100万人ほど
主な内容:
試食、ワークショップ、カカオ産地ブース、チョコアート、ライブ演奏など
数字で見るとかなりのスケールですが、実際に歩いてみると「観光客がほとんど」という感じではなく、地元の人の顔もあって、ペルージャらしい温度感のお祭りです。
ペルージャとBaci。チョコレートの都の小さな物語
「どうしてこの街でこんなに大きなチョコレート祭りが?」と聞かれることが多いのですが、理由はとてもシンプル。
この街には、イタリア土産の定番 Baci(バッチ)を生み出した老舗メーカー、Perugina(ペルジーナ)があるからです。
Baci(イタリア語で「キス」)は、ペルージャでは単なる「甘いもの」以上の存在。
一粒に込められた愛のメッセージと共に、家族や恋人、友人へ気持ちを添えて渡す、特別な文化が根づいています。この「大切な人に手渡す甘さ」こそ、この街のチョコレート文化の中心にあると言えるでしょう。
ペルージャみやげにしたい、Baci(バッチ)のいろいろ
ユーロチョコレート会場では、Baciの最新フレーバーや限定パッケージがずらりと並びます。
せっかくなら「どれを買えばいいかわからない…」と迷うより、お気に入り候補を決めてから行くと楽しみやすいですよね。
ここで、基本の種類と限定フレーバーを整理しておきます。
まずは味わってほしい、定番の3粒
では、定番の3粒からご紹介しますね!
クラシコ(Classico Fondente Luisa)[銀色の包み紙]
ダークチョコレート × ヘーゼルナッツ。
一番オーソドックスで、ナッツの香ばしさがガツンと来る定番中の定番です。

ラテ(Latte Vellutato)[水色の包み紙]
ミルクチョコレート。
まろやかでクリーミーな「とろける口どけ」が特徴。甘党さんや、ビターが少し苦手な方におすすめです。

フォンダンテ 70% (Fondentissimo 70% intenso)[黒色の包み紙]
カカオ70%のエキストラダーク。
甘さ控えめの大人な味わいで、中のヘーゼルナッツとキャラメリゼしたカカオニブのカリッとした食感がアクセントになります。

※画像出典:Baci Perugina 公式サイト
季節ごとに出会える、限定フレーバーの楽しみ

Eurochocolate が開催される秋(9〜11月)には、その年の新作や限定フレーバーが発表されることも多く、毎年ちょっとした話題になります。
● ドルチェ&ガッバーナ(D&G)コラボ
ここ数年の人気コラボ。ルビーチョコやレモン風味など、シチリアを思わせる華やかな味と、宝石箱のようなデザイン缶が印象的です。
● コーヒー、アマレット、キャラメルなどの季節限定
エスプレッソの香りが立つコーヒー味や、リキュールを思わせるアマレット、キャラメルアーモンドなど、大人向けのリッチなフレーバーも定期的に登場します。
● 今年話題の「Baci Crystal(クリスタル)」
オレンジのクリスタルとローストアーモンドを散りばめた、まるでジュエリーのようなコンセプトの限定Baci。パッケージもほんのりラグジュアリーで、ギフトにもぴったりです。
※画像出典:Baci Perugina 公式サイト
包み紙の中に隠れた、小さなメッセージカード

Baciを食べるときは、包み紙をすぐに捨てないでくださいね。
チョコの底の部分には、「Cartiglio(カルティグリオ)」と呼ばれる小さなメッセージカードが入っています。
ここには、愛や人生にまつわる格言や詩が、イタリア語や英語などで書かれています。
翻訳アプリで訳してみると、思った以上に情熱的な言葉が出てきて、「ああ、イタリアに来たんだなあ……」と、ちょっと笑ってしまうかもしれません。
Baciは“味”だけでなく、この小さなメモまで含めて完成するお菓子なのです!
※画像出典:Baci Perugina 公式サイト
メインストリートで出会った、パフォーマンスと音楽

屋台での試食を楽しみながらメインストリートへ向かっていくと、カラフルな衣装をまとったパフォーマーたちの一団がちょうど通りかかりました。
背の高いスティルトの人、ピンクのドレスをひらりと揺らすダンサー、クラシカルな衣装に身を包んだ紳士役のパフォーマー。
石畳の上をゆっくり進んでいくその姿は、いつもの通りが一瞬だけ舞台に変わったようで、思わず見入ってしまいました。
午後になると、通りの一角からギターの音が聞こえてきました。
甘いチョコレートの香りとやわらかな音楽が混ざり合うと、なんてことのない道も、少しだけ特別な場所に感じられます。
紙袋を手にした大人たちも足を止めて、しばし耳を傾けていました。
通りを歩いている途中、小さなスタンドで「ピノキオのチョコレート」が目に入りました。
鼻の部分がチョコになっていて、帽子には“A me non piace il cioccolato!(ぼく、チョコは好きじゃないよ!)” と書かれています。
あまりにもピノキオらしくて、手に取らずに眺めているだけなのに、ちょっとクスッとしてしまいました。

チョコレートと“ごきげん”の関係。心から始まる美容の話
以前、美容に関する記事でも触れましたが、カカオにはポリフェノールなど「うれしい成分」がたくさん含まれています。
でも、このお祭りを歩いていると、それ以上に「気分が上がる」ことそのものが美容に効くと強く感じました。
甘い香りに包まれると、肩の力がふっと抜ける。
おいしいものを前にすると、自然と笑顔になる。
人の賑わいが、心のこわばりをやわらかくしてくれる。
美容は成分だけではなく、「ごきげんでいられる時間」でもつくられていくんですよね。
チョコレートは、そのきっかけをくれる最高の食べものだと、改めて感じた一日でした。

また来年、この甘い通りで
よく歩いて、よく笑って、よく味見した一日。
来年もまた、ペルージャの街で、散歩がてらこの甘い香りの通りに迷い込みたいと思います。
皆さんもぜひ、輸入食品店やバレンタインの催事場でBaciを見つけたら、「ああ、これはペルージャのお祭りの魂なんだな」と思い出しながら楽しんでみてくださいね。
日本でBaciを楽しむ、小さなヒント
・カルディや成城石井などの輸入食品店
・バレンタインシーズンのデパート催事
・一部のオンラインショップ
などで、Baciを見かけることがあります。
もし出会えたら、今回の記事を思い出しつつ、お気に入りのフレーバーを探してみてくださいね!

