「美容メシ」〜チョコレート🍫 編〜
\美容メシとは?/
「食べること=キレイになること」だったら、毎日のごはんがもっと楽しくなると思いませんか?
【美容メシ】は、美しくなりたい、健康的にキレイを育てたいあなたに向けた“食のヒント”をお届けするコーナーです。
きっかけは、化粧品メーカー時代にお世話になった講師の先生と、「肌をつくるのは、食べ物だよね」という話で盛り上がり、先生が美容部員向けに行っていた講義資料をいただきました。
私も同じ想いを持っていたからこそ、その内容に共感し、私なりの視点も加えてお届けしたいと思ったのです。
「おいしい」と「キレイ」がつながる毎日を。
スーパーで食材を手に取るとき、「これっておいしいし、さらにカラダが喜ぶんだよね」と、思い出してもらえるような、美容と食の小さなヒントを発信していきます。
おいしく食べながら、内側からキレイに。そんな美容習慣、今日からはじめてみませんか?
― 食べ方しだいで、美容にも、ご褒美にも ―

朝晩の空気がひんやりして、あたたかい飲みものや甘いものが恋しくなる季節。
それは、肌も心も「ぬくもり」を求めているサインです。
そんなときこそ、そっと寄り添ってくれるのがチョコレート。
冷えや乾燥でこわばりがちな体をやさしくゆるめ、気持ちまで満たしてくれる「小さな美容食」。
甘いのに整う。満たされるのに、軽やかになれる。
そんな美のバランス食としてチョコを楽しむ季節が、今です。
今日は、「食べる美容」としてのチョコレートの力と、日常に無理なく取り入れるコツを紹介しますね。
秋になると、なぜかチョコが恋しくなる

― それは“心と体のリズム”が、やさしく求めているから ―
秋になると、ふとチョコレートが食べたくなる。
仕事の合間や帰り道、ほんのひとかけらを思い浮かべるだけで、なんだかホッとする。
それは、決してただの食欲ではありません。
季節が夏から秋に変わる頃、気温の低下とともにセロトニン(しあわせホルモン)をつくる力が少し弱まります。
このセロトニンが減ると、脳は「甘いもの=安心」を求めるようになる。
だから秋になると、自然とチョコが恋しくなるんです。
さらに、寒暖差や乾燥によって血流が滞りやすくなり、肌や心のコンディションにもゆらぎが出やすい季節。
そんなときに、カカオに含まれるテオブロミンやポリフェノールが血の巡りをサポートし、脳と肌をやさしくほぐしてくれます。
つまりチョコレートは、自分を甘やかしたい」と思う季節に、心と体のバランスを取り戻すための自然な処方箋。
食べるという行為を、ただの欲求ではなく、整える時間として見直してみる。
そのひとかけが、今日のあなたをほんの少し軽くしてくれるかもしれません。
チョコレートが、美の味方になる4つの理由

チョコが恋しくなるのは、体が「整えたいとき」のサイン。
実はその甘さの奥に、肌や心をやさしく支える理由があります。
次は、チョコレートが美の味方になる4つの理由を見ていきましょう。
肌を守る|カカオポリフェノールが働く理由
肌の調子が落ちていると感じるとき、注目したいのが「酸化」。
紫外線、ストレス、睡眠不足、冷房…。
現代の肌は常に活性酸素という見えない刺激にさらされています。
活性酸素は肌内部の細胞を傷つけ、ハリを支えるコラーゲンや透明感をつくる仕組みをじわじわ錆びつかせる要因となります。
そこで力になるのが、カカオポリフェノールです。研究によれば、カカオ・ダークチョコレート由来のポリフェノールには、抗酸化・抗炎症作用があり、血管を拡げて血流を促す作用もあることが示されています。
さらに、「ダークチョコレート(70%以上カカオ)を1日20〜30g程度継続摂取することで、皮膚の血流改善・酸化ダメージの低減が見られた」という報告もあります。
つまり、チョコレートは肌を守る内側スキンケアとして働く可能性を秘めているのです。
巡らせる|テオブロミンで脳・血流ケア

チョコレートに含まれるもう一つの成分、テオブロミンやカフェインなどには、脳の血流をサポートし、集中力や気分の切り替えを手助けする作用が報告されています。
例えば、午後のもうひと頑張りタイムにハイカカオチョコを1〜2片手に取ることで、気持ちをほどよく切り替える「脳の美容メシ」になり得ます。
また、血流が整うことで、肌への栄養・酸素供給も向上し、フェイスラインや表情の印象にも影響を及ぼしやすくなるという考え方もあります。
整える|ミネラルと食物繊維で「ためこまないカラダ」
美容といえば肌だけではなく、体の中のめぐりも大切。ダークチョコレートには鉄・マグネシウム・銅などのミネラルも含まれており 、食物繊維としても働く成分が腸内環境を整えるという報告も出ています。
腸と血流、両方が整えば、肌のくすみ・フェイスラインのたるみ・むくみ・疲れ顔…。
そうした内側からの重さを軽くして、見た目の印象をリセットすることにもつながります。
チョコレートを美容食に変える3つのルール
これからのルールを知っているといつものひとかけが整える時間に変わります。
”チョコレートとの距離も、心地よく”
では、その3つを順に見ていきましょう。
選び方:カカオ70%以上+原材料チェック

美容目的で選ぶなら、まず「カカオ含有率70%以上」が一つの目安。なぜなら、カカオ分が多いほどポリフェノールやフラバノール類が豊富となり、砂糖や脂質が相対的に少ないためです。
ただし70%=良品と盲信するのも危険です。原材料表示で「カカオマス」「カカオニブ」が最初に記載されていて、「植物油脂」「砂糖」が多く記載されているものは、チョコレートとしての本来の良さが薄れている可能性があります。
つまり、美容メシとしてのチョコレートは「質を選ぶ」ことが第一歩。
量とタイミング:1日25 gを、朝・昼に分けて

続けやすさと効果を両立するなら、目安は1日25g前後。
複数の研究でも、20〜30gのダークチョコレートで血流や気分・集中の指標が整う兆しが示されています。
さらに「いつ食べるか」も大切。
午前〜昼など、代謝が動いている時間帯に取り入れると、カカオ成分が活用されやすくなります。
逆に、夜遅い時間は活動量が下がるため、糖や脂質がエネルギーとして使われにくく、体に残りやすいことも。
だからこそ、量×タイミングを整えることが食べる美容習慣を無理なく続けるコツです。
※体質や生活リズムには個人差があります。
注意点:砂糖・植物油脂・乳成分に要注意

どれだけカカオ含有率が高くても、「砂糖がびっしり」「植物油脂が多く含まれている」チョコレートでは、美容の味方どころか見た目にも体にも負担になってしまうことも。
また、チョコのごほうび感に身を任せ過ぎて量が過多になると、カロリー過多・夜の睡眠刺激・むくみの原因にも。
だからこそ「ルールを設けて、味わう」ことが、体型や肌印象を守る鍵です。
今日からできるチョコの取り入れ方
忙しい日こそ甘さを味方に、無理なく続く、小さなコツだけ。朝・午後・夜、シーン別に今日から試せそうなレシピでまとめました。
ひとかけの“ちょうどいい”が、今日の自分を軽くします。
朝:ハイカカオをコーヒーと一緒に

朝は、体がスイッチを入れる時間帯。
ここでハイカカオチョコレートを1〜2片、またはカカオパウダー+温かい豆乳と組み合わせて摂ると、代謝を起こすきっかけになります。
豆乳にカカオパウダーを溶いて軽く甘味を加えるだけでも、栄養&満足感のある朝美容メシになります。
さらに、ミルク・豆乳・ナッツと一緒に摂ることで、たんぱく質と少しの脂質が加わると、満足感がやさしく続きやすく、午前中の肌・体・気持ちのリズムが整いやすくなります。
午後:ナッツ+ハイカカオで集中&リラックス
仕事の山場、家事のひと区切り、ちょっと疲れた午後。
そんな時間に頼れるのがハイカカオ2〜3片+無塩ナッツ。
テオブロミンが穏やかに気分の切り替えをサポートしてくれるので、もうひと踏ん張りの前のリセットおやつにぴったりですね。
口どけを待ってゆっくり噛むと少量でも満足しやすくなります。
夜:ホットカカオにシナモンをひとふり

夕方から夜にかけては、肌や体が修復モードに入る時間帯。
このタイミングで温かなホットカカオ(カカオパウダー+温かいミルク+ほんの少しのシナモン)を楽しむことで、1日の酸化ダメージをやさしくケアできます。
夕方〜夜は、肌と体が休む準備に入る時間。
このタイミングで、無糖のカカオパウダーを温かいミルクで割ってホットカカオを一杯。カカオポリフェノールが一日の酸化による負担のケアをそっと後押しし、おやすみ前の整える時間になります。
このひと息時間は、「今日もよくがんばったね」という自分自身へのねぎらいにもなり、寝ている間の肌修復を食べるケアで後押ししてくれます。
文化の中のチョコレート

― 神々の飲みものから、心を満たすスイーツへ ―
はじまりは、泡立つ苦み。マヤやアステカの人々は、発酵させたカカオを石で挽き、水とスパイスで泡立てて飲みました。通貨にもなるほど尊い、甘くないチョコレート。鼻先を覚ます香りと確かな苦みは、からだを動かすエネルギーそのものだったのだと思います。
やがて海を渡り、甘さと出会います。16世紀、カカオはスペインへ。蜂蜜や砂糖、ミルクが加わり、厳かな苦い聖杯は歓びのショコラに変わりました。フランスのサロンでは、温かな一杯が会話と知性をほどき、装いの一部に。甘さは嗜好であり、社交のデザインでもあったのです。
この歴史と文化を知って選ぶと、おいしさに物語がのって、ひとかけのチョコがちょっと特別に。
そんな距離感でチョコと付き合っていきたいですね。
まとめ:甘やかすことは、整えること

― 我慢じゃない。味わう美容習慣へ ―
チョコレートを「ただのスイーツ」で終わらせるか、「美容食」として活かすかは、選び方・量・タイミングにゆだねられています。
質の高いハイカカオチョコレートを、1日25g前後を目安に、朝・午後・夜それぞれのリズムで取り入れることで、心・体・肌をそっと整えてくれます。
さらに、砂糖・植物油脂・乳成分などが多いスイーツ化されたチョコには注意を。一口一口を丁寧に、自分自身の美容ごほうびと捉えることで、まったく違う価値へと変わるのです。
知って、選んで、味わう。
チョコレートの背後にある物語を感じながら、一口一口を整える時間にしてみてください。
今夜のひと息、そして明日の肌と気分に、チョコレートの美の力をそっと添えて。


